流暢性バイアスを意識する
実際、知り合いで高校生の子を持つ親御さんが、興味深いエピソードを教えてくれました。お子さんと大学進学の話をしていたところ、お子さんが行きたい大学の学部として、10年ほど前になくなった学部名を挙げたというのです。そこでその学部名を挙げた理由を聞いたところ、お子さんは生成AIにその学部の情報を聞いたとのこと。生成AIはときに、このような誤情報を非常に流暢に返してきます。
最近ではとくに、生成AIも断定的な言い方をせず、「~かもしれません」「~の可能性があります」というような言い回しをすることが増えました。
しかし、「流暢性バイアス」にとらわれてしまうリスクが下がったかというと、そうは思いません。やはり使う人一人ひとりが、このバイアスを意識しながら接する必要があるでしょう。
政治家にも、訥々と中身のある政策を語る人と、中身はともかくまくしたてる人がいます。人には、その話しぶりだけで後者を信じてしまいやすいというバイアスがあるのです。